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第66回卒業式が、2015年3月13日、2年ぶりに母校の体育館で挙行されました。卒業生は男子132名、女子132名。皆勤賞受賞者19名。
母校は、今回の卒業生が入学した年(2012年)の10月から校舎の大規模改修工事が開始され、この間、校舎はプレハブ建物、体育館は改修工事で使えず、あの広い校庭も改修工事との関連で半分以上が使えない、という状況にありました。この校舎改修工事が完了したのが昨年の12月。卒業生は、実に学校生活の大半を以上のような厳しい生活環境の中で過ごしてきたわけですが、今回の卒業式を通じ、この逆境を、先生方に支えられながら、明るく、元気に、逞しく乗り越えて来られた、ということを実感しました。
式の始めは国歌と校歌斉唱。校歌の時、1年、2年生で合唱祭を競った卒業生の席からは美しいハーモニーが流れてきました。
続いて卒業証書の授与式が行われましたが、卒業生の名前を読み上げる各クラス担任の先生の中には、いつしか涙声になられている方もおられました。
大窪伸幸校長は、「先ず、卒業生にお礼を言いたい」と式辞を始められました。「大規模改修工事のため、体育の授業や体育祭等は外部施設を使用し、また、学校での授業や弥生野祭もプレハブ仮校舎で行われる等、厳しい環境にもかかわらず、皆さんは立派に学校生活を送り、足立高校に新たな伝統を作ってくれた。…自分の戒めともしていることを皆さんに贈りたい。これからの人生のいろいろな場面では、『自分はどこにいるのか』ではなく、『そこで何をするのか』を問うてほしい。…他人と過去は変えられないが、自分と未来は変えられる」と述べられ、卒業生に激励と期待を訓示されました。
金成秀幸同窓会会長は来賓挨拶で、「世俗的な利害・打算の絡まない高校時代での友人と先生を大切にしてほしい。…今日の地球は、地球資源の浪費、原子力と人間社会のかかわり方、南北格差や国際テロの拡大、無味乾燥な人と人とのITコミュニケーション蔓延による非人間的犯罪の多発等々、人類社会の存立を脅かす諸問題に直面している。…人間の能力に大差はない。人心が荒みつつある今日の人類社会が必要とする「他者を思い遣る心」、「もったいない」等の「心」を培ってきた日本文化に「誇り」を持ち、皆さんの能力を、日本と国際社会、延いては人類の未来のために活かしてほしい。2022年の母校創立100周年を、同窓生として共に祝おう」、と後輩に呼び掛けました。
在校生は送辞で、「入学の時、校歌を無伴奏で美しいハーモニー合唱される先輩達は大きく見えました。…先輩達の勉学や小論への取り組み、合唱祭、体育祭、大縄跳び大会、弥生野祭展示、ステージ発表への取り組み姿勢を通じ、自己に厳しく他者を思い遣る心、チームワーク作り、団結力の強さを学びました」と述べ、「先輩たちが培った自律の精神、自由で責任ある行動を発展させることを誓います」、との決意表明で送辞を結びました。
答辞は、二人の卒業生代表が交互に読みながら、3年間を振り返るという、おそらく母校では初めての形式で行われました。「入学時の少しの緊張と大きな期待で66期の夢旅がスタートしました。…体育祭、弥生野祭、合唱祭等の学校行事では、その準備が進むにつれ、いつの間にかクラスが一つにまとまり、全力で取り組んでいました。…友と寝食を共にした修学旅行も忘れられません。…私たちは、旧―プレハブ―新、と三つの校舎で生活しましたが、同じ場所に自転車を置いてしまう等、私たちの日常生活は変わらずに過ぎて行きました。朝、お一人で教室を掃除する先生を見、先生との絆が深まりました。私たちは、今日まで支え、育ててくれた先生、家族のお蔭で大きく成長することが出来ました。皆さんに感謝し、これからも他者を思い遣りながら夢旅を続けていきます。」
最後に、卒業生が回れ右をして保護者席に対面しました。そして、「栄光の架橋」が美しいハーモニーで合唱されました。昨年までは、卒業生含め参列者全員が正面の壇上に向かい、「旅立ちの日に」を謳いました。後で、この新形式も選曲も、答辞同様、卒業生の意向を先生方がサポートした結果と聞きました。
新機軸は他にもあり、校舎の大規模改修という厳しい学校生活環境の中で培われた生徒と生徒、生徒と先生との深い絆が、今回の温もりある卒業式を創り上げたのではないか、と感銘を受けました。
閉式後、卒業生は自分達のクラス担任の先生に大きな声で謝意を表し、目頭を押さえながら式場を後にしました。これまでの卒業式でも、二、三のクラスの卒業生が謝意を表する光景には出遭いましたが、全クラスは今回が初めてでした。
文 :事務局 金成秀幸(18期)
写真 :母校関連委員 大川成一(22期) |
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